介護人材不足65.8%・ヘルパー82.9%の現実|採用力を決めるのは「営業力」である理由【大阪の介護コンサル】
介護人材不足65.8%・ヘルパー82.9%の現実|採用力を決めるのは「営業力」である理由【大阪の介護コンサル】
株式会社Ne-worth(ニューワース)代表取締役の森中 洋です。大阪府茨木市にて介護業界専門の稼働率向上/人材確保/人材育成/経営改善のコンサルを生業としております。介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、グループホーム、サ高住、訪問介護、訪問看護、どのサービス種別でも対応しております。現在は大阪・奈良・兵庫・京都にて15法人のコンサル・顧問活動に携わっております。お読みいただいた方に少しでも有益な情報をお伝えしたく、経験則に基づいた内容をブログにまとめております。よかったらぜひご覧ください😁
この記事でわかること
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▶ 2025年度介護労働実態調査が示す人材不足の最新実態
▶ 採用に最も効果があった方策が「賃金水準の向上」である事実
▶ なぜ人材確保の鍵が「営業力」なのかという構造的な理由
▶ 稼働率向上→処遇改善→採用力強化の循環をつくる具体策
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結論:人材確保の入口は「営業」にあります
まず結論からお伝えします。
介護業界で人材を確保したいなら、営業力を強化してください。
一見すると遠回りに見えるかもしれません。しかし、公表された最新の調査データを読み解くと、この結論は極めて論理的です。本記事でその構造を解説します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🔴 2025年度介護労働実態調査が示す厳しい現実
介護労働安定センターが最新の「令和7年度(2025年度)介護労働実態調査」の結果を公表しました。全国1万8,000事業所・施設を対象に実施され、53.1%にあたる8,955事業所から有効回答を得た大規模調査です。
▶ 人材不足を訴える事業所は65.8%に上昇
事業所全体の従業員の過不足感について、不足とする事業所(「大いに不足」「不足」「やや不足」の合計)は65.8%。前年度の65.2%から上昇し、現場の厳しさがさらに増していることが明らかになりました。
▶ ホームヘルパーの不足感は82.9%と突出
職種別で最も不足感が強いのは訪問介護員(ホームヘルパー)です。不足とする事業所は82.9%に上り、7職種のなかで最も高い水準となっています。前年度からは0.5ポイント低下したものの、依然として突出した数字です。
訪問介護の供給体制が極めて切迫している現実が、改めて浮き彫りになりました。
▶ 幅広い職種で人材難が悪化
訪問介護員とサービス提供責任者を除く5職種すべてで、前年度より不足感が上昇しています。施設の介護職員はもちろん、ケアマネジャー・看護職員・リハビリ専門職に至るまで、人材難が全方位で深刻化しています。
▶ 若年層の定着が最大の課題
離職率は12.4%で横ばい、採用率は14.6%と2年ぶりに上昇しましたが、上昇幅はわずか0.3ポイント。依然として低い水準です。
特に注目すべきは、29歳以下の離職率が17.3%と他の年齢層より高いこと。若手が定着しない構造が、慢性的な人材不足を再生産しています。
出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書」(2026年7月公表)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🔴 調査が示す「採用に最も効果があった方策」
ここが本記事で最も重要なポイントです。
同調査では、採用や職場定着・離職防止のために事業所が実施している方策と、その効果を調べています。その結果、採用に効果があったとする割合が最も高かった方策は「賃金水準の向上」(38.4%)でした。
一方、職場定着に最も効果があったのは「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」(57.9%)です。
つまり、データはこう語っています。
▶ 人を「採る」なら賃金
▶ 人を「残す」なら働きやすさ
働きやすい職場づくりも当然重要ですが、そもそも採用の入口で勝てなければ、定着施策を打つ相手すら確保できません。
採用競争を制する最大の武器は、給与水準です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🔴 では、給与を上げる原資はどこから来るのか
ここで多くの経営者が突き当たる壁があります。
「賃金を上げたいのはやまやまだが、原資がない」
その原資の中心になるのが、処遇改善加算です。そして処遇改善加算には、極めて重要な構造的特徴があります。
処遇改善加算の算定額は、介護報酬総額に連動します。
つまり、こういうことです。
▶ 稼働率が低い → 介護報酬総額が少ない → 処遇改善加算の入金額も少ない
▶ 稼働率が高い → 介護報酬総額が多い → 処遇改善加算の入金額も多い
同じ加算区分を算定していても、稼働率が違えば手にする金額はまったく変わります。
しかも今後、基本報酬の大幅増は期待しにくい一方で、処遇改善加算の比重は上がり続ける見通しです。実際、令和8年度の介護報酬改定率+2.03%のうち、+1.95%が処遇改善関連でした。
加算に依存せざるを得ない構造が、より強固になっています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🔴 「営業力 → 採用力」の循環構造
以上を整理すると、介護事業における好循環と悪循環の構造が見えてきます。
▶ 好循環(勝ち組の構造)
営業力の強化
↓
稼働率の向上
↓
介護報酬総額の増加
↓
処遇改善加算の入金額が増える
↓
月額給与に手厚く配分できる
↓
求人で競合に勝てる
↓
人材が集まる・定着する
↓
サービスの質が向上
↓
さらに稼働率が上がる
▶ 悪循環(負け組の構造)
稼働率が上がらない
↓
売上が伸びない
↓
処遇改善加算の入金額が少ない
↓
給与で競合に負ける
↓
職員が流出する
↓
サービスの質が低下
↓
さらに稼働率が下がる
この分岐点にあるのが「営業力」です。
人材不足65.8%という数字は、裏を返せば「給与で勝てる施設に人が集まる」市場が形成されているということ。そしてその給与を支えるのが稼働率であり、稼働率を支えるのが営業力なのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🔴 これはどのサービス種別でも同じです
この構造は、特定のサービス種別に限った話ではありません。
▶ 訪問介護:ヘルパー不足82.9%。人が採れなければ売上が立たない直結型
▶ 通所介護:利用者数がそのまま売上。営業がなければ空き枠が埋まらない
▶ 施設系:入所稼働率が処遇改善の原資を直接左右する
▶ 障がい事業:同様に稼働率と加算の連動構造は変わらない
すべてのサービス業態で、「営業 → 稼働率 → 処遇改善 → 採用力」の構造は共通しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🔴 重要なのは「現場への落とし込み」
ただし、経営者がこの構造を理解しているだけでは、数字は動きません。
弊社がコンサルの現場で最も力を入れているのが、この構造を現場スタッフに理解してもらうことです。
弊社が営業担当者の指導で徹底的に伝えているのは、以下の点です。
✅ 売上を上げることが、職員と利用者を守ることにつながるという認識
✅ 処遇改善加算と売上が直結しているという構造の理解
✅ 競合他社に絶対負けないという当事者意識
✅ 他責ではなく自責思考・自分事として捉える姿勢
「営業=会社の売上のため」と思っている限り、現場は本気になりません。「営業=自分たちの給与と職場を守る行為」だと腹落ちしたとき、営業の質は劇的に変わります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🔴 感覚ではなく「数字」で営業を管理する
そしてもう一つ重要なのが、営業を数字で管理することです。
弊社のデータでは、訪問件数が最多の事業所(1,049件)の問い合わせ率が9%にとどまる一方、訪問件数が最少の事業所(300件)が問い合わせ率21%を記録しています。
訪問件数と成果は比例しません。
必要なのは、営業活動から問い合わせ・見学・契約までの各フェーズを数値で可視化し、どこにボトルネックがあるかを特定してPDCAを回すことです。
弊社の支援実績では、介護老人保健施設「悠々の郷」において、数値管理の徹底により問い合わせ13→22件/月、見学7→11件/月、契約・入居5→9件/月と、全フェーズで約1.7倍の成果を実現しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まとめ:人材確保の答えは「営業」にあります
2025年度介護労働実態調査が示したのは、人材不足がさらに深刻化しているという厳しい現実でした。
✅ 人材不足を訴える事業所:65.8%(前年度から上昇)
✅ ホームヘルパーの不足感:82.9%(7職種で最高)
✅ 29歳以下の離職率:17.3%(若年層の定着が課題)
✅ 採用に最も効果があった方策:賃金水準の向上(38.4%)
給与で勝つには処遇改善加算が必要。処遇改善加算を厚くするには介護報酬総額の増加が必要。介護報酬総額を増やすには稼働率の向上が必要。そして稼働率を上げるのは営業力です。
この構造を理解し、現場に落とし込み、営業力を強化する。
これが、今後生き残るための必須条件です。
「稼働率が上がらない」「人材が採用できない」「営業のやり方がわからない」——そのような課題を抱えている法人は、ぜひ一度ご相談ください。初回相談は無料です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
無料相談受付中
株式会社Ne-worth(ニューワース)
代表取締役 森中 洋(もりなか よう)
社会福祉士 / 老健・特養・地域密着型特養にて支援相談員・企画広報部長・事務長を歴任後、独立。現在15法人のコンサル・顧問に従事。
対応施設種別:介護老人保健施設・特養・住宅型有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅・訪問介護・訪問看護・障がい事業(共同生活援助・就労継続支援B型)
📧 メール:morinakayou0028@gmail.com
📞 TEL:080-3818-4194(受付:月〜金 9時〜18時)
🌐 無料相談:24時間受付中
🗾 対応エリア:大阪・奈良・兵庫・京都・滋賀(オンライン相談は全国対応)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【出典】
▶ 公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書」(2026年7月公表)
▶ 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」





