介護施設の稼働率を左右する「リードタイム」とは|業界に馴染みのない指標が経営を変える理由【大阪の介護コンサル】
株式会社Ne-worth(ニューワース)代表取締役の森中 洋です。大阪府茨木市にて介護業界専門の稼働率向上/人材確保/人材育成/経営改善のコンサルを生業としております。介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、グループホーム、サ高住、訪問介護、訪問看護、どのサービス種別でも対応しております。現在は大阪・奈良・兵庫・京都にて15法人のコンサル・顧問活動に携わっております。お読みいただいた方に少しでも有益な情報をお伝えしたく、経験則に基づいた内容をブログにまとめております。よかったらぜひご覧ください😁
この記事でわかること
▶ 介護施設における「リードタイム」とは何か
▶ リードタイムが短い施設が紹介元から選ばれる理由
▶ 居宅中心か病院中心かで数値が変わる構造
▶ 測るべき3つのリードタイムと改善の考え方
▶ リードタイムを計測・改善するための具体的な方法
はじめに:介護業界に「リードタイム」という言葉はほぼありません
まず率直に申し上げます。
介護業界において「リードタイム」という言葉は、ほとんど馴染みがありません。
製造業や小売業、一般的な法人営業の世界では当たり前に使われる指標ですが、介護の現場で「うちのリードタイムは何日だ」と語られる場面を、私はほとんど見たことがありません。
しかし弊社が営業支援に入るクライアント法人では、必ず追う指標の一つです。
なぜか。リードタイムは、稼働率に直結する極めて重要な指標だからです。
本記事では、この馴染みのない概念を介護経営にどう活かすかを解説します。
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🔴 介護施設における「リードタイム」とは
シンプルに定義します。
リードタイム=ある段階から次の段階に進むまでにかかった日数
介護施設の営業プロセスは、以下の流れで進みます。
営業訪問
↓
問い合わせ
↓
見学
↓
契約・入居(入所)
この各段階の間にかかる日数が、リードタイムです。
弊社が重視しているのは、以下の3つです。
▶ 問い合わせ → 見学のリードタイム
▶ 見学 → 契約のリードタイム
▶ 問い合わせ → 契約のリードタイム(全体)
そしてこの3つは、いずれも短いほうが良いのです。
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🔴 なぜリードタイムが短いほうが良いのか
理由は2つあります。
▶ 理由① 施設側の対応が迅速であることの指標になる
リードタイムは、施設の対応スピードを数値で表したものです。
問い合わせを受けてから見学の日程を提示するまでに何日かかっているか。見学後、契約に向けた案内をどれだけ早く出せているか。
これらが速い施設は、紹介元から「あそこは動きが早い」と評価されます。
ケアマネジャーや病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)の立場に立って考えてみてください。利用者様やご家族から相談を受けたとき、「早く確実に決まる施設」に紹介したいのは当然です。
逆に、問い合わせても返答が遅い、見学日程がなかなか決まらない、契約手続きが進まない——こういう施設への紹介は、次第に減っていきます。
リードタイムは、紹介元からの信頼を数値化したものでもあるのです。
▶ 理由② 効率的なベッドコントロールができている証拠
リードタイムが短い施設は、空床が発生してから埋まるまでの期間が短いということです。
これは適切なベッドコントロールができている証拠です。
▶ 空床の見込みを事前に把握している
▶ 待機者・見込み客のリストが整理されている
▶ 判断が速く、意思決定のプロセスが明確
逆にリードタイムが長い施設は、空床が発生してから慌てて動き始めます。その間、日々収益を失い続けているわけです。
老健の場合、WAMの調査でも入所利用率と事業利益率はほぼ同じ推移を示すことが明らかになっています。空床期間の短縮は、そのまま利益に直結します。
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🔴 リードタイムには「紹介元の構成」が現れます
ここが、弊社が複数法人のデータを分析するなかで見えてきた重要な発見です。
リードタイムが長い施設と短い施設では、紹介元の構成が明確に異なります。
▶ リードタイムが長い施設 → 居宅介護支援事業所との付き合いが多い
居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)経由のケースは、在宅で生活されている方が中心です。
▶ 明確な期限がない
▶ ご家族の意思決定に時間がかかる
▶ 複数施設を比較検討される
▶ 「そろそろ施設を」という段階からの相談も多い
構造的に、決定までの時間が長くなります。
▶ リードタイムが短い施設 → 病院との付き合いが多い
病院経由のケースは、退院調整が絡みます。
▶ 退院予定日という明確な期限がある
▶ MSWが期限内に決めなければならない
▶ 意思決定が早い
▶ 決まらなければ他施設に流れる
構造的に、リードタイムは短くなります。
▶ これが意味すること
リードタイムの長短は、施設の「営業チャネル構成」を映す鏡です。
▶ リードタイムが長い → 居宅寄りの営業になっている
▶ リードタイムが短い → 病院寄りの営業ができている
どちらが良い悪いという話ではありません。しかし、稼働率を早期に改善したい局面では、病院ルートの開拓が効きます。
そして老健の場合、そもそも申し込みの7〜8割は病院からです。ここが弱いということは、最大のパイプが細いということです。
自施設のリードタイムを測ることで、「どのチャネルに偏っているか」が数字で見えるようになります。
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🔴 測るべき3つのリードタイムと、その意味
▶ ① 問い合わせ → 見学のリードタイム
ここが長い場合、疑うべきは初動対応です。
▶ 問い合わせへの折り返しが遅い
▶ 見学日程の選択肢を出せていない
▶ 担当者が不在で対応できない日がある
▶ 見学対応できる人員が限られている
問い合わせは、最も熱量が高い瞬間です。ここで待たされると、他施設に流れます。
改善の第一歩は「問い合わせ当日中に折り返す」「見学日程は複数提示する」といった単純なルール化です。
▶ ② 見学 → 契約のリードタイム
ここが長い場合、疑うべきは見学対応とクロージングです。
▶ 見学時に必要な情報を伝えきれていない
▶ 費用の説明が不明瞭で持ち帰りになる
▶ 次のアクション(申込・契約日)を提示していない
▶ 見学後のフォローがない
見学に来ていただいた時点で、相手の検討度は高い状態です。ここで決めきれないのは、多くの場合「押しの弱さ」です。
見学の場で次のステップを明示し、後日の追客を確実に行う。この2点でリードタイムは大きく縮まります。
▶ ③ 問い合わせ → 契約のリードタイム(全体)
これは施設全体の営業力を示す総合指標です。
①と②を足したものですが、全体で見ることで「うちは平均何日で決まる施設なのか」が把握できます。
そしてこの数字を紹介元に伝えられるようになると、営業の武器になります。
「うちは問い合わせから平均◯日で入居まで進められます」——これは、期限に追われるMSWにとって極めて魅力的な情報です。
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🔴 まず「概念として意識する」ことから
ここまで読んで、「うちのリードタイムは何日だろう」と思われた方も多いはずです。
その意識を持つこと自体が、第一歩です。
介護業界では、営業活動が「訪問件数」だけで語られがちです。しかし件数を追うだけでは、稼働率は上がりません。
実際、弊社が蓄積したデータでは、訪問件数が最多の事業所(1,049件)の問い合わせ率が9%にとどまる一方、訪問件数が最少の事業所(300件)が問い合わせ率21%を記録しています。
量ではなく、質とスピードです。
そしてスピードを測る唯一の指標が、リードタイムです。
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🔴 リードタイムを測り、施策を打つには
とはいえ、リードタイムを手作業で管理するのは現実的ではありません。
▶ いつ問い合わせが入ったか
▶ いつ見学に来たか
▶ いつ契約したか
これらを案件ごとに記録し、平均日数を算出し、月次で推移を追う——エクセルでやろうとすると、必ず途中で止まります。
そこで弊社が提供しているのが、介護施設の営業に特化した営業管理システムです。
▶ 弊社の営業管理システムでできること
✅ 営業訪問 → 問い合わせ → 見学 → 契約の全プロセスを一元管理
✅ 各フェーズの転換率とリードタイムを自動で可視化
✅ 未対応案件が3日滞留すると自動でアラート通知
✅ 退院期限の7日前から自動通知(病院案件で最重要)
✅ 追客履歴をタイムラインで記録し、担当交代時も経緯が一目瞭然
✅ 目標入居数から必要な営業件数を逆算(KPI設計)
特に「退院期限アラート」は、リードタイム管理の核心です。
病院案件では退院日という絶対的な期限があります。その7日前から自動通知が入ることで、最も重要なタイミングを逃さず受け入れにつなげられます。
▶ 導入実績
介護老人保健施設「悠々の郷」では、数値管理の徹底により以下の成果が出ています。
▶ 問い合わせ:13件/月 → 22件/月
▶ 見学:7件/月 → 11件/月
▶ 契約・入居:5件/月 → 9件/月
全フェーズで約1.7倍の成果を実現しました。
現在、大阪・奈良・兵庫・京都・滋賀の5府県・15法人で導入・支援中です。
費用は導入コスト10万円(税別)、月額3万円(税別)。入居1名の増加だけで、月額費用を大きく上回るリターンが見込めます。
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まとめ:リードタイムという概念を、経営に取り入れてください
✅ 介護業界に「リードタイム」という概念はほとんど浸透していない
✅ しかしリードタイムは施設の対応スピードを示す明確な指標
✅ 短い施設は紹介元から「早く確実に決まる」と評価される
✅ 短い施設は効率的なベッドコントロールができている
✅ リードタイムが長い=居宅寄り、短い=病院寄りの営業構成が現れる
✅ 測るべきは「問い合わせ→見学」「見学→契約」「問い合わせ→契約」の3つ
✅ 手作業では続かない。仕組みで測り、施策を打つことが重要
訪問件数だけを追う営業から、リードタイムと転換率で管理する営業へ。
この転換ができた施設が、これからの競争を生き残ります。
「稼働率が上がらない」「営業の成果が見えない」「どこに問題があるかわからない」——そのような課題を抱えている法人は、ぜひ一度ご相談ください。初回相談は無料です。
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株式会社Ne-worth(ニューワース)
代表取締役 森中 洋(もりなか よう)
社会福祉士 / 老健・特養・地域密着型特養にて支援相談員・企画広報部長・事務長を歴任後、独立。現在15法人のコンサル・顧問に従事。
対応施設種別:介護老人保健施設・特養・住宅型有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅・訪問介護・訪問看護・障がい事業(共同生活援助・就労継続支援B型)
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